オフシーズンに自転車のオーバーホール、要注意ポイントなど

北陸らしい冬の天気が続き、もう今年は乗れないような感じになってきました。

冬ならではの遊び方もあるにはありますが、それは置いといて、

春先に向けて、自転車の点検、オーバーホールは乗れないこの時期にしておくのがおススメです。

今日はオーバーホールで行う作業の一部をご紹介します。

乗る環境、乗る量で程度は変わりますが、大まかな走行時間ごとの作業推奨時期を記載しておきますので参考にどうぞ。

なお、晴れているときしか乗らない場合の数字にしますので、雨天でも乗る方はもう少し短く見積る、あるいは推奨時期を守ることがおススメです。

結論から言うと、色々な消耗部品が発生するのがおおむね5,000km走行毎になりますので、それぐらいに1回のオーバーホールがおススメです。

ステアリング部分のオーバーホール ¥2,200前後

推奨5,000km毎

まずはこちら、ステアリング部分のベアリング、いわゆるヘッドパーツのオーバーホールです。

この部分の動きが悪くなると、ステアリング性能はもちろんのこと、直進安定性などにも悪影響を与える部分です。

汗が落ちやすい部分のため、他の部分のベアリングよりもさびの進行が速い傾向にあります。

また、雨天でも乗る場合は、特に下側のベアリングが、常に前輪が巻き上げる水しぶきを受け続けますので、要注意です。

当店で販売している自転車は、すべて保護グリスを追加していますので、まだましですが、

雨天での使用も多いと、5000kmを超えなくても多少なりさびが進行しています。少し茶色っぽく見えるのが表層のさびです。

写真の中心辺り、カバーについたグリスが茶色に変色している部分などは、グリスが水と混ざり乳化しています。

こうなってはグリス本来の仕事をしてくれません。

今回は非常に良いタイミングでの作業ができたため、さびなどは表層にとどまっているので、ベアリングそのものは全く問題ありませんでした。

ちなみに、先ほどの状態で乗り続けると、さびが完全に進行し、ベアリングだけでなく受け側にもダメージを与えるため、部品交換が必須になり修理費用が高くつきます。

雨でもガンガン通勤する方なので、今回は通常よりも水に強いグリスをベアリング本体にたっぷりと塗布し、

プラスアルファで表層の保護グリスも多めに塗っておきました。

むき出しのベアリングではなく、シールドベアリングが使用されているモデルも同様です。

特に、最近のロードバイクはケーブル内装化のため、ベアリングが破損すると、交換するのにすべてのケーブルを外す必要が出てくるため、修理代金が跳ね上がります。

こちらも定期的に保護グリスを塗布しなおすことで、シールドベアリング内部に水分などが入らないようにできますので、交換のスパンを伸ばすことができます。

内装系のフレームの場合、新車組み立て時も前述した水に非常に強いグリスを塗布するようにしています。

去年あたりからシクロクロッサーを中心にテストしていたのですが、非常に優秀なグリスです。

ですが、使い続ければ当然グリスが切れていきますので、定期的な作業が大切です。

ハブのオーバーホール    ¥6,600前後

推奨5,000km毎

車輪の回転部分、ハブに関しては、ベアリングの構造などによっても推奨時期は変わりますが、できれば5000km毎のチェックがおススメです。

まずはエントリーグレードに多い、カップアンドコーン式の物です。(ベアリングの玉がむき出し)

先ほど同様、ベアリングのグリスが残ってはいますが茶色く変色しています。

ですが、まだクグリスが残っている状態でしたので、クリーニングで元通りになります。

こちらもしっかりとグリスアップを行います。

先ほどのヘッドとは違うグリスを使用します。

同じグリスを使用してもいいのですが、粘度が高すぎて重くなるので基本的にハブには使用しません。

なお、重くなってもいいから耐久性を上げてほしい方には施工します。

玉当たりを調整、余計なグリスをふき取って完了です。

シールドベアリングタイプの場合は、ベアリングそのものは割と耐久性も高いのですが、10000kmも行くと、さすがにダメになる場合があります。

たまにはホイールを外してみて、ハブ単体で回転させてみるとおおむね状態がわかります。

ベアリングを新しいものに打ち換えればまだまだ使用できます。

ベアリングを打ち換えるだけではガタが出てしまう、あるいは動きが悪くなる場合は、ごく薄い(0.1mm単位)シムを使用して、調整も行います。

ハブの回転が悪いと、当然無駄な抵抗になってしまいます。

走る以上、常に回転している部分ですが、乗っている人からすると、変化が少しづつのため、意外と回転が悪くなっていることに気が付きません。

ですが、その状態からオーバーホールをすると、びっくりするぐらいには軽く感じます。

フリーボディのオーバーホール   ¥2,200前後

推奨3,000km毎

シールドベアリング系のホイールの場合も、フリーボディ(リアスプロケットの駆動部分)のオーバーホールも欠かせません。

メーカーによってグリスアップの推奨時期は変わるのですが、ボントレガーのホイールは、DT スイスのシステムを使っているため、こまめなグリスアップがおススメです。

DTスイスの専用グリスの、新品状態と使い込んだ状態ではかなり違います。

フリーボディのグリスアップを怠ると、空転時の抵抗が増えたり、最悪の場合、駆動力が伝わらなくなるなどの問題が発生します。

ボトムブラケットのオーバーホール ¥3,300前後

推奨5,000km毎

同じく回転部分では、ボトムブラケットも重要です。

ベアリングの種類によってかなり違いますが、TREKで多い、BB90、T47もそうですが、そこまで防水が強いわけではないです。

ベアリングそのものを長持ちさせるためには、ヘッドパーツ同様

定期的なグリスアップが必要です。

こちらも要望によってグリスの種類を使い分けています。(軽さ重視、耐久性重視など)

ハブ同様、走れば常に回転している部分ですので、性能維持は欠かせません。

チェーン交換   ¥3~7,000程

最低でも5000km毎

こちらは定番?ですが、チェーンも消耗品です。

早い方で3,000kmぐらいから、伸びが出始めます。

上の写真は要交換域まで伸びた状態です。

チェーンリンクのローラーの摩耗によって起こりますが、伸びたチェーンを使い続けると、変速が悪くもなりますし、なにより、クランクやスプロケットのギアを大きく削っていきます。

定期的にチェーンを交換しないと、そういった周りの部品の交換頻度も上がってしまうため、5000km毎の交換は必須です。

なお、注油の状態でかなり寿命の差が出ます。

オイルのない状態で乗り続けていると、下手をすれば2000km台で伸びが出ているパターンも多く見受けられますので、定期的なチェーンの注油はかなり大切です。

ブレーキパッドの交換   ¥1,500~¥3,000程度

パッドの厚みで確認

ディスクブレーキが主流になった今ですが、ブレーキパッドも安全に走るうえで大切な部品です。

概ね、パッドの厚みが0.5mm以下で交換推奨といわれています。

走行距離で測ることが難しく、乗り方次第でばらばらのため、パッドの厚みを定期的に目視点検するしかありません。

上の画像で、左側が交換推奨域ぎりぎり、右が完全にアウトです。

なぜ0.5mm以下かというと、パッドの上に置いてあるリターンスプリングを見れば理由がわかるかと思います。

0.5mm以上あれば、リターンスプリングがブレーキローターに接触しませんが、

こうなってはブレーキローターやブレーキオイルにも大きなダメージが入り始めます。

ブレーキをかけた時の音が明らかにおかしくなる(金属音が大きい)ので、それが最後のサインではあるのですが、その手前で交換したほうがあらゆる意味で良いです。

新品と比べると、かなり違いがありますね。

ブレーキパッドの減り方によって、オイルの効果も合わせておススメする場合があります。

ブレーキオイルに高い熱が入るとこんな感じに黒く変色し、本来の性能を発揮しなくなります。

通常のオイル交換プラス、この後特殊な処置で更に細かく気泡を抜いて仕上げていきます。

乗り物において、ブレーキの重要性は非常に高いです。

特に基本性能の高いスポーツバイクの場合、出せる速度も高いため、ことさら重要になります。

他の部分もそうですが、本格的にダメになってからでは遅いので、定期的な確認が大切です。

オーバーホール、カスタムはトレック以外のメーカーももちろん可能です。

フルオーバーホールももちろんですし、部分的なオーバーホールまで、ご予算などに合わせてご案内いたしますので、バイクの状態が気になる方はお気軽にご相談ください。

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